以前、こちらの記事でも紹介しましたが、
このブログがきっかけで、書籍を出版する事になりました。
この記事では、実際に出版社から連絡がきてから、ブログが書籍化するまでの流れについて
リアルな過程を紹介していきたいと思います。
ブログをやっていると、こんなこともあるんだな~と1つの参考になれば幸いです。
ブログが書籍化するまでの過程
ブログの問い合わせフォームから連絡が入る
6月にブログを開設してから初めて、ブログの問い合わせフォームから連絡が入りました。
10月6日のことです。
突然のご連絡を失礼いたします。私は、○○社の△△という者です。
問い合わせメールより一部抜粋
弊社は、主にPC書やビジネス書などを出版している出版社となります。
この度、tsenさまに書籍ご制作のご協力をお願いできないかと思い、ご連絡いたしました。
~中略(書籍の概要説明)~
可能でしたらぜひ書籍のご執筆をお願いできないか、と考えておりますが、
もちろんご執筆は難しくても、書籍内容のご監修や、インタビューのみでも問題ございません。ぜひ一度、お話を伺えれば、と思いますが、いかがでしょうか。
このメールを貰って、最初は半信半疑でしたが、とりあえず話だけでも聞いてみようと思い
当日にすぐに返信をしました。
検討したいので出版にあたっての条件やスケジュール・進め方等の詳細を教えていただきたいです!
すると翌日、出版にあたっての詳細条件が提示されました。
そして、提示された内容について、こちからから細かく質問していきました。
印税について・手数料について・販売数の計測について・SNSへの掲載許可についてなど、詳しく質問しました。
詳細な条件に付いてなんどかやり取りをさせていただいた後、
「私に200ページもの原稿を書けるのか?」という正直な不安もお話したところ
全力でサポートするので大丈夫です!と言っていただけたことから
10月13日に正式にお話を引き受けるお返事をしました。
構成案を練って企画会議通過へ
正式にお話を引き受ける旨回答し、何か契約を取り交わすのかと思いきや
印税に関する契約書(著作物利用許諾契約書と言います)を交わすのは書籍の入稿時とのことで、
要は、全部書き終わってからという事。
書くだけ書かせておいて、やっぱり出版しないなんてことはないよな・・
執筆スタート時に、おおよそのスケジュールなどをまとめたご執筆の依頼書をお渡しします。この書類は契約書のような効力はありませんが、弊社が著者さまにご執筆をお願いしたという証明としてお渡ししています。
あ、心の声もれちゃった?!でもそれなら安心かな。
まずは、執筆に入る前に、書籍の企画内容(大まかな構成など)を詰めていく作業に入りました。
まずは、担当さんから企画提案書が送付されてきました。
内容は、以下のようなものでした。
内容を確認し、こちらからの意見、構成案をすぐに返信し、
各章でどんな内容を盛り込もうと思っているのかも箇条書きでお送りしました。
この構成案のやり取りを何度か往復し、決まった内容をワードにまとめて
さらに具体的に1週間ほどやり取りをして、深堀りさせていきました。
そして、決まった内容で一度、出版社さんの企画会議に通していただきました。
企画会議が10月23日頃行われ、そこで出た意見を元に再度構成の練り直しに入ります。
この練り直しは2週間ほどやり取りをして、お互いの意向と書籍の内容をすり合わせていきました。
最終的に11月中旬の企画会議で、企画が正式に通りました。
ページ割を決める作業
各章の内容も大体決まったし、執筆開始と思いきや、
まだまだ書き始められるわけではありませんでした。
ここから、ページ割というものを決める作業に入っていきます。
ページ割とは、具体的に何ページに何を書くのかを全て書き出していく作業です。
書籍の場合、章タイトルが書いてあるページは奇数ページに来るようにしないと読みにくいため
事前に細かく、何を何ページ書くのか決めておく必要があります。
文章を書く際には、構成を決めるって本当に大事なんですね・・!
本来ブログを書く際にも、
構成を決める作業をこのくらいしないといけないのかも。ちょっと反省
また、紙面フォーマットのサンプルも送られてきました。
紙面フォーマットを見たときは、こんな本が出来るんだ~とモチベーションが上がりましたね。
しかし、このページ割を考える作業が結構大変で、
何度もやり取りをしながら、12月15日ごろまで、約1カ月の期間をかけて決めていきました。
テスト原稿の作成
ここから、いよいよ原稿の作成に入っていきます。
まずは、テスト原稿として、最初の2ページだけ書いてくださいというオーダーでした。
ここで、初めて編集プロダクションの方ともコンタクトが始まり、
出版社の担当さん、編集プロダクションの方、私での3者でのやり取りになってきます。
スムーズなやり取りのためにファイル共有ツールなども活用しながら
原稿執筆が始まりました。
あいにく、年末年始休みを挟んでしまったこともあり、テスト原稿を送付できたのが
年明けの1月6日。
内容を確認してもらい、実際に私が書いた文章を紙面フォーマットに流し込んだものが
1週間くらいで送られてきました。
わ~!本っぽくになってる~感動っ!!!!
テスト原稿の紙面を見ながら、文字数の感覚をつかみ
はみ出してしまった部分についてはカットしたり、修正した原稿とともに
序章の11ページ分の原稿を提出しました。
これが1月16日頃でした。
執筆スケジュールに基づいて書きまくる
序章の原稿について、色々とコメントはいただきましたが
おおむね問題ないという事で、本格的に執筆がスタートします。
担当さんから、各章の締め切り日が送られてきましたが
あくまで目安という事で、絶対厳守というわけではないとのこと。
頂いたスケジュールで進めようと思いましたが、結構タイトな日程。
執筆にだけ専念できれば出来なくはない日程なんだけど
私の場合は、ブログ副業も、Web制作副業もやっているし、
当然本業の仕事と主婦業もあるからちょっとキツい・・
そこで、少しだけ無理のないスケジュールに少し調整してもらいました。
自分から提示したスケジュールなので、守って執筆を進めていき、
4月中旬頃に、最終章まで書き上げることが出来、一旦執筆作業を終えました。
第一回目の執筆完了のことを「初校の脱稿」というそうです。
執筆を終えたのが4月末頃になりましたので、約3か月超書いていたことになります。
ひらすら修正作業の連続
そして、ここから怒涛の修正作業が続いていくことになります。
まずは、Word原稿の状態で、明らかにページからはみ出しそうな部分、
ページがまるっと空いてしまいそうな部分をピックアップしていただき
2週間後くらいに、大所の修正依頼事項が届きました。
依頼事項に基づき、修正原稿を作成し提出、これが5月末ごろでした。
ここから1週間後に、原稿を実際の紙面デザインに落とし込んだ状態で原稿が返ってきました。
この、紙面を実際に見ながら初校→修正→再校→修正→念校(→入稿)と3回に分けてチェックをしていきます。
初校の修正では、まだ原稿自体がかなり荒かったこともあり、修正もたくさんありましたし、
1ページまるまる書き直しという部分も何ページもありました。
正直、初校で書き上げたとは言っても、最後のほうはかなり力尽きていて
内容が薄かったり、つじつまが合っていなかったりで、修正も多く大変でしたね・・。
また、紙面自体のデザイン作成も行っていきました。
出版社側でデザイン案を出していただき、
それを見ながら、私の意見を反映していってもらった形です。
最初のデザインは結構お固めのデザインだったので
カラーやデザインをやわらかくしてもらうようにお願いしました。
基本的には私の意見をほぼ組んでいただき、
とても素敵なデザインになったと思っています。
各章ごとに修正の提出締め切りが決められていたので毎日締め切りに追われる日々をすごして
初校の修正には約1カ月かかりました。。(6月末)
「やっと修正提出出来た~」と思ったのもつかの間で
1週間後には修正を反映させたPDF原稿が届き、再度修正をかけていきます。
さらに修正と並行して、本編以外の部分(付録や章末のコラム・著者プロフィールなど)の執筆も進めていきます。
2回目の修正がこれまた大変で・・・。
何度も読んでいるうちに、「こういう内容を書きたいな」とか「これは情報が古くなっているな」とか
色々と修正が出てきてしまい
担当の方には大幅な修正をお願いする事になり、
「最初の原稿の時にもっときちんと考えておいてくださいよ!」と思われているんじゃないかと
申し訳ない気持ちにもなりました。
結局2回目の修正にも約3週間ほどかかってしまい、7月中旬になっていました。
執筆と修正の毎日はモチベーションの維持が大変だったのですが、
表紙のデザインが届き、モチベーションが再燃したのを覚えています。
そこから1週間後に最終確認の原稿PDFが届き、本当に最後の確認となります。
最後の確認の時点では、ほとんど内容自体を変更する事はなく
細かい誤字脱字や表記の統一などをメインに確認をしていきます。
ですが、なんども修正をしているので、全体を改めて読み返してみるとおかしい部分などもありました。
最終の修正は1週間程度で終了し、入稿を無事に迎えました。
書籍発売までの流れ
原稿の提出とは別に、実際の書籍発売までの流れについてもまとめておきます。
執筆が最終段階に入ってきた頃に、「印税契約の名義についての連絡」がありました。
その際に、改めて印税の条件などの詳細についても説明がありました。
今回の書籍発売に伴って私が取り交わすのは
「著作物利用許諾契約書」(紙の書籍の印税契約)と「電子出版契約書」(電子書籍売り上げのお支払いに関する契約)の2種類になります。
これは裏話になりますが、この時点で初めて紙の書籍が発売されるという事を理解しました(笑)それまでずっと電子書籍のみだと思っていました・・・。
出版社のほうから契約書が2部づつ送られてきたので
そこに署名捺印して1部を返送しました。
印税ってどうなるの?
皆さん、気になるのが印税のことだと思います。
印税というと、1冊売れたら何%か貰えるというイメージがあると思います。
では、例えばもし1冊も売れなかったら、(そんなことは考えたくないですが)
苦労して書いてもただ働きになってしまう事になります。
そうならないように、今回私の場合は「保証印税」というものが確約されていました。
保証印税は、本が実際に売れる売れないにかかわらず、発売した時点で受け取れる報酬のことです。
これは、初版部数と書籍の1冊あたりの販売金額によって決まるようです。
具体的な数字は伏せますが、初版部数の何割かは保証印税として支払われ
保証印税を超えて、売り上げた部分については1冊あたりいくらという
よくイメージされる印税が支払われていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ブログが書籍化するまでの流れについて
詳しく紹介してきました。
ブログから書籍が出版できるなんて夢のようですよね。
でも、そんな夢をかなえてしまうのがブログです。
ブログをやっているとこんなこともあるんだなと参考になれば幸いです。